PyCon JP 2020 コンテンツチームリーダーの二木です。
PyCon JPでは例年、国内・国外のPython使いの皆さまから提出いただいたプロポーザルを元に、カンファレンスの発表を採択しています(参考:2019の例) 。
この記事では、2019からのプロポーザルの変更点(予定)をお伝えします。
2019の参加者アンケートやスタッフの振り返りをもとに、2020ではいくつか改善案を試す予定です。
カンファレンス当日まで5ヶ月を切りました。
PyCon JPで発表したいという方は、そろそろプロポーザルを考え始める頃ではないでしょうか。
この記事には現在スタッフ内で検討を進めている内容が含まれています。
プロポーザルの準備をされる方に対して「このように考えている」という指針を早めに共有するために公開しています。
ちなみに、2019のプロポーザル応募フォームはこちらから確認できます:
https://www.papercall.io/cfps/2160/submissions/new
以下、検討中の改善案3つを共有します。
改善案1:自由に書けたがゆえにプロポーザルの分量がまちまちだった問題について
自由に書けたトークの詳細や参考情報 |
🤔何が問題か
短文から長文まで多種多様なプロポーザル(トークは全260件)が集まりました(ありがとうございます!)。
これらをブラインドレビュー(プロポーザルを提出した方の属性を隠したレビュー)をしたのですが、あまりにも短く、レビューしづらいプロポーザルもありました。
レビュアーは、プロポーザルに書かれた情報だけをもとに採択するかどうか判断します。
プロポーザル募集期間とレビュー期間が一部重なっていたため、募集期間内であれば、あまりに短いプロポーザルに対して、レビュアーからフィードバックを送ることもありました。
ですが、締切直前に出されたものに関しては、記載された情報をもとにレビューするしかありませんでした。
締切後に特定のプロポーザルだけ変更を認めるのは公平ではないという考えからです。
💪どう対処するか
フォームの記述項目を細かく分ける予定です。
そのため、昨年と比較して記載する項目の数は増えます。
コンテンツチームは、来場者の満足度の高いトークを届けたく、そのために、レビューに必要な情報を集め切ることができるプロポーザルフォームにしたいと考えています。
✅期待される効果
プロポーザルに書かれる情報が揃うと期待されます。
レビューでトークを比較しやすくなり、来場者の満足度の高いトークを採択することに近づくでしょう。
そして、レビューで必要になる情報は、参加者が聞くトークを選ぶ上でも有益で、トークを選びやすくなるでしょう。
また、2019の来場者アンケートからは「内容の深い発表」や「『使ってみた』に留まらない示唆に富んだ発表」を期待する声か複数見られました。
参加者の期待に沿ったセッションが採択できるように、レビュー観点に反映し、プロポーザルのフォームにも該当項目を設けることで対応を予定しています。
改善案2:Audience levelから受け取る印象が人によってまちまち問題について
Beginner/Intermediate/Advancedって、それぞれどんなPython使いなんでしょう? |
🤔何が問題か
プロポーザルを応募する方、レビュアー、参加者の間で、Audience levelについての認識が揃っていないと思います。
例えば、Beginner向けのWeb開発のトークと聞いたときに
- PythonのBeginnerを対象としたWeb開発のトークなのか
- Web開発のBeginnerを対象としたWeb開発のトークなのか(Pythonのレベルは不問)
また、Beginnerとはどんな状態なのかも受け取り方が異なると考えています。
これは、レビューや参加者の満足度に影響していると見ています。
💪どう対処するか
Audience levelはPythonについてのレベルを聞く項目と明示する予定です。
そして、「BeginnerとはこんなPython使い」のように各レベルがどんな状態なのかを表す例も公開を予定しています。
合わせて、トークのトピック(Python以外の部分)についてのレベルや、トークを聞く上での前提知識も記入していただく想定です。
✅期待される効果
認識が揃うことでまずレビューが円滑に進むでしょう。
2019のアンケートでは「Beginner向けが多い、もう少し難しいセッションがあってもいい」という声を複数いただきました。
認識を揃えることで、来場者もトークを選びやすくなる(聞いてみて自分が対象でないと感じる可能性が小さくなる)と考えています。
思うに、レベルの定義がない影響を最も受けているのはAdvancedです。
Advancedへの応募数は少なく、ここ数年採択は1, 2件と、枠として機能していない印象です。
Advancedは雲の上の存在の猛者に向けて話すわけではないということを明示することで、Beginner・Intermediate・Advancedの各レベルがバランスよく集まることを期待しています。
改善案3:タグを自由につけられる問題について
タグはPyCon JPで用意していないものを自由に作れた |
タグはトークのカテゴリどうしのバランスを見るために使っています。
PyCon JPが機械学習一色やWeb開発一色にならず、幅広いカテゴリのトークが並ぶようにしています。
(プロポーザルの応募が多ければそのカテゴリは多くなりますが、少数のカテゴリが採択されなくなることがないようにしているということです)
🤔何が問題か
プロポーザル募集に使ったシステムの仕様により、複数選択やオリジナルのタグの追加が自由にできたため、トークのバランスが考慮しにくくなりました。
「Tags に設定してあるトークカテゴリを選択して頂くようお願いします」と運用でカバーしようとしたのですが、想定したようには運びませんでした。
💪どう対処するか
システムの仕様として1つのタグ(カテゴリ)しか選べないようにする予定です。
PyCon JPで用意したタグの中で複数タグがついたということはMECEでなかったと考えており、各タグについても見直しを予定しています。
例えば、Python librariesのようにどんなトークにも付きそうなタグがありました。
Web開発でも機械学習でも何らかのライブラリを使う場合は、Python librariesタグが付いてしまうということです。
✅期待される効果
発表を表す1つだけのタグを付けていただくことで、レビュアーの負荷が下がり、採択すべきかどうかの議論に労力を集中しやすくなると期待しています。
2019からのプロポーザルの変更点(予定)は以上です。
発表を考えている方はプロポーザルの準備を始めてお待ち下さい。
このように2020のプロポーザルは変更が大きくなる予定ですので、書き方のサンプルも公開する予定です。
※新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、開催可否、開催方法についてはスタッフで検討を進めています。プロポーザルの募集開始予定等が変更になる場合があります。
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