2025-01-13

PyCon JP 2024 共同座長振り返り

吉田です。

本blogではPyCon JPでは初の試みであった、共同座長という仕組みを実施してみて、得られた知見について、振り返り共有します。

今後このような形で運営する方や大規模イベントの運営をする方に参考になればと思います。

共同座長にした背景

PyCon JP Associationは毎年開催される年次イベントとしてのPyCon JPについて、イベントを代表する座長を決定して、イベントの開催を任せています。

PyCon JPの座長とは何かの詳細については、2024年で書かれた以下の資料をご覧ください。

PyCon JPイベントの座長と当法人との関係

PyCon JP 2024は鈴木たかのりさんと私、吉田俊輔、寺田学さんの3名で共同座長(Co-Chair)として運営しました。

共同座長のたかのり、吉田、寺田

この3人はそれぞれ過去のPyCon JPでの座長の経験もあり、現在は一般社団法人PyCon JP Associationの理事でもあります。

一般社団法人PyCon JP Associationは、毎年開催されるPyCon JPのイベントを代表する 座長 を任命し、それによりPyCon JPを主催しています。

経緯としては、PyCon JP 2024については例年通り座長を公募しましたが、PyCon APAC 2023開催までに応募者がなく、どのように進めていくかということが一般社団法人PyCon JP Associationの会議などで検討されました。

理事の総意としてPyCon JP 2024については、開催は必ずしたいと考え、どのようにするのがいいかさまざまな観点から検討しました。

その中でPyCon JP 2024については共同座長という形で理事でもあるPyCon JPの座長経験者の3人による体制で実施することで同意し、形となりました。

今回の記事の目的

PyCon JPとして、共同座長での開催を行ったことは初めてで有り、振り返り結果を残しておくことは今後のPyCon JPおよび共同座長と類似した形態でカンファレンスを開催される方々への参考になると思います。そのため、PyCon JP 2024を準備開催する中で得た経験について、共同座長での振り返りを行いました。こちらについて、抜粋して本blogで共有します。

共同座長での開催の良い点、改善点、コスト、感想

良い点

    • 3人いて相互に相談、分担できるのはよかった
    • 忙しいときに役割分担も適宜できたのでよかった
    • 何かを決めるときの心理的な安心感があった
      • 一人での座長と違い、孤独感がなく安心してできた
    • 3人なので、ほかの2名の意見が参考になり、意外と対立しなかった
      • 3人いるから「他の2名が良いならOK」のようになる

    改善できそうな点

    • 共同座長の協議はリアルタイムに行っていたが、それが主催メンバーから見えず、意思決定が遅いと思われてしまうことがあった。
      • 共同座長の意見をタイムリーに主催メンバーに出していくのが難しかった

    共同座長で必要だったコスト
    • 共同座長での合意形成や意見交換し、民主的に決定するコストがそれなりに掛かった
    • slackでの随時のコミュニケーションに加えて、開催まで数ヶ月および開催後(の現在も)毎週決めた曜日にランチミーティングを共同座長3人で、定期的に実施した。お互いにスケジュールや食事、仕事への影響がそれなりにあったが、これは必要なコストだったと思う。

    今回のチーム体制と共同座長、全体的な体制とコミュニケーションについての振り返り

    今回PyCon JP 2024では主催メンバーを6チーム(参加者管理、会場、プログラム、広報、スポンサー、会計)で編成し、共同座長はそれぞれ2チームの担当を持つ形にしました。それについての振り返りです。

    チーム編成・チーム分け

    • (よかった)チームで運営できる体制、共同座長が担当を持つというのは良かったと思うし、当日にリーダ中心に動ける場面も多く良かった。6というチーム数はそれなりに良かったと思っている。
    • (改善できそう)チーム分けについては、もう少し考え直してもよいかと思う。
    • (どちらとも)チーム間の連携、線を引く難しさと、間の抜けをどうカバーするかは、改善の余地もあるが、チームを分けることの難しさでもある

    チーム作り、メンバー募集、オンボーディング

    • (よかった)コストはかかるが、全員とのオンボーディングをやったのは良かったと思っている
    • (改善できそう)オンボーディング後のチームでの受け入れ、特に非日本語話者へのケアや受け入れ前の説明などがあっても良かったかも
    • (どちらとも)主催メンバーという言葉は定着しきれなかったが、「スタッフ」よりは良いかなと思っている

    コミュニケーション

    • (よかった)Slack / Jiraのコミュケーションで時間を共有せずに進められることも多くなっていった。特にメール管理に初採用したJira Service Managementはとても良かった
    • (よかった)当日のレシーバーでの情報共有はよかった
    • (改善できそう)全体ミーティングは当初開催していなかったが、途中から月次で開始した。全体ミーティングはお互いのチームの状況を把握し、調整するために必要だった

    チームってどうだったのか?

    • (よかった)自走できるチームやチームリーダができ、チーム内で解決できる場面はよかった
    • (改善できそう)リーダーやサブリーダの役割が不明瞭で、連携方法やチーム間の壁があったとおもう
    • (どちらとも)リーダーやチームを共同座長や経験者が補助できる良い仕組みが作れないかな。

    以上振り返り内容の抜粋です。

    今後について

    共同座長含め、主催メンバーはPyCon JP 2024の開催後も残タスクについて、振り返り会や全体作業日を開催し、着実に実施してきました。

    まだ若干のタスクが残っていますが、着実にすすめて、PyCon JP 2024の全てのタスクをCloseして行きます。

    このblogが今後の大規模イベントの開催者の方への参考となれば幸いです。

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