PyCon JPのスポンサーになるってどういうこと?
「PyCon JPでは
スポンサーを募集してるけど、実際にスポンサーになるのってどうなのだろう?」「それなりにお金を出す訳だけど、本当にそれだけの価値はあるのだろうか?」そう思われる担当者の方も多いと思いますし、実際運営している僕達もスポンサーになって頂いてどうだったのかということをしっかりと把握できてはいません。
そこで、スポンサー担当の寺田と記事担当の畠の2人でPyCon JP 2014のGoldスポンサーである
Microsoft社にお邪魔をして、担当者の井上さんにお話を伺ってきました。
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お話を伺ったMicrosoft社の井上章さん |
PyCon JPの印象
-- PyCon JPに対してどのような印象をお持ちですか?
Microsoftの方針が最近変わってきていて、OSSを活用して行こうという方向性に変わってきています。その流れの中でPyCon JPには2012年から3年続けてスポンサーさせて頂いています。もちろんPyCon JPだけではなく他のカンファレンスイベントにもスポンサーをさせて頂いているのですが、その中でもPyCon JPは日本のカンファレンスでは珍しく、海外も含めたワールドワイドなイベントとしてやっているという印象が凄くあります。集客もPythonというくくりの中でも様々な人が参加しているので、幅広い層にリーチできるのをメリットに感じています。
-- ありがとうございます。想像していたよりも好意的な印象でビックリしました(笑)
スポンサーをする目的
-- それでは、スポンサーをして頂いた目的は何ですか?
私たちの製品に
Microsoft Azureというものがあります。昔はWindows Azureと言っていたのでWindowsしか使えないのではないかと思われることも多いのですが、実際はWindows Serverベースの環境は勿論Linux, Ubuntu, CentOSでの提供もしています。そこで動く言語としてもPHPやPython、Javaなどを使って頂くことができます。まだまだ「Windowsでしょ」というイメージも強いので、そんなことはないんだというPRとしてPyCon JPのスポンサーをさせて頂いています。
また現在Visual Studioの中でPythonが使えるように、Microsoftの中ではOSSのテクノロジーやツール、言語をサポートしていこうという方向性になっています。Microsoftがそういう企業だということを周知するのもスポンサーをさせて頂いた理由です。
-- なるほどです。その2つの目的はPyCon JPのスポンサーをしたことで多少なりとも達成されましたか?
始めた当初はPyCon JPに限らず手探りな部分もありました。実際にMicrosoftが出展すると驚かれたり冷たい対応をされることもありました。ですが、最近は大分浸透してきた感じがしています。特にPyCon JPはリーチできる層に特徴があって、開発言語系のカンファレンスとしては珍しくPythonという切り口の中でも幅広い層の参加者がいるという実感があります。今までスポンサーをしてきたことで、その幅広い層にAzureやMicrosoftのOSSに対する方針を伝えることができてきたと思います。
スポンサー同士の横のつながり
-- それらの目的以外に、PyCon JPのスポンサーをして良かったことは何かありますか?
そうですね…。スポンサーをしていく中で参加者に限らず、同じスポンサー企業同士の横の繋がりができてきてはいます。スポンサーブースがまとまっているので、近くのブースとの交流があったり、こういう企業がPythonに興味があってPyCon JPのスポンサーになるんだということを知れたのがメリットですね。去年は日程が合わずにスポンサーミーティングには参加できなかったのですが、参加者の方だけではなくスポンサー企業ともつながれる機会が用意されているのもとても有用だと思います。
PyCon JPはスポンサーのセッション枠がない
-- PyCon JPに対して何か要望だとかこうなっていると良いというものはありますか?
セッションだとかAzureのハンズオンをする場が用意されているとありがたいと思います。セッション枠があるイベントというのが多いので、セッション枠がないとスポンサーをとして応募しにくいです。スポンサーの枠が幾つかある中で、このグレードまでは幾つのセッション枠があるってのが早めにわかると社内での検討材料にしやすいので良いと思います。
-- そういう意味でPyCon JPは厳しいんですよね。お金を払ってスポンサーなったのにセッション枠がない。他のスポンサーさんに言われることも多いです。実は2012年はスポンサーセッションを用意していたのですけど、そのセッションに人が全然入らなくて。そういうことがあったので、2013年からは基本的にスポンサーセッションという枠は用意していません。
確かにスポンサーセッションって言っちゃうと人が入らなかったりはするんですよね。他のイベントとかでよくやるのは、ランチセッションって言ってお弁当を出すんです。そうするとお弁当目的で来た人も座ってセッションを聞いてくれるので結構良いです。
-- その手法はよく見るのですがPyCon JPは元からランチが用意されているのでなかなか難しいのです…
あとは見せ方とかもあると思うんですよね。プログラムにスポンサーセッションって入れてしまうと人も集まらなかったりしてしまうので、勿論内容に気を遣う必要はありますけどスポンサーセッションって入れずに他のセッションと同じように見せてしまうのはありだと思います。
-- ありがとうございます。プログラム担当に伝えさせて頂きます。
スポンサーする企業もあまり宣伝し過ぎるのは良くない
-- 話は変わるのですが、オープンソースのイベントってスポンサーだってのを出し過ぎると引かれるじゃないですか。そのバランスってどう取るのが良いんでしょうね?
そこのところはスポンサーする企業もあまり宣伝チックになってしまうと、嫌われてしまうとか引かれてしまうってことがあるんですね。それを我々スポンサーする企業も理解した上で、参加していくとかブースを出すとか…例えばセッションがあるとしても宣伝になり過ぎずに他のセッションやイベントに溶け込むコンテンツやタイトルにする。それによってスポンサーとしてもセッションに来てくれる人が多くなるとか悪い印象を与えないなどのメリットがあるので、そこをきっちり周知していくってのが一つの回答になるんじゃないかなと思います。
PyCon JPでスポンサーをする価値
-- 最後になりますが、PyCon JPは今後もスポンサーになって頂けるような価値を提供できていますか?
はい。その価値はあると思います。社内でもPyCon JPのスポンサーをして良かったという話は出ています。Microsoftの期の終わりが6月ということもあり来期の方向性がまだ見えていないのですが、そこと予算との関係がクリアになれば今後もスポンサーを継続することはしっかり検討できるイベントになっていると思います。
-- 本日は興味深いお話をありがとうございました。
お話を伺って
当初想像していたより満足して頂けているということがわかりほっとしている反面、気付いていなかったところや足りないところを指摘して頂くことができ、とても有意義な時間となりました。
PyCon JP 2015ではスポンサーを募集中ですので、これを読んで少しでもスポンサーに興味を持って頂ける方がいると嬉しいです。ご興味を持ってくださった方は
sponsor@pycon.jpにお気軽にご連絡ください。ご質問やご相談も大歓迎です。