PyCon JP 2014 プログラムチームの川田です
すでに、知っている方も多いかと思いますが、PyCon JP 2014 トークセッションのプログラムが公開されました!
https://pycon.jp/2014/schedule/
https://pycon.jp/2014/schedule/talks/list/
今年のトークセッションは、97件 (内英語35件) のプロポーザルの応募ありました。
トークセッションの枠は36枠用意していたのですが、倍以上の応募があり選考の結果、約60件もの応募をお断りすることになりました。応募していただいた方、本当にありがとうございました。
ちなみに、今年は新しい試みとしてトークセッションとは別に、ポスターセッション (ポスターはなくても大丈夫です) を開催します。ブース形式で、デモや参加者との議論をするのに最適なセッションになっています。締め切りは8月15日です。皆さん気軽に応募してください!
https://pycon.jp/2014/speaking/cfp/
気になったトークがあれば、PyCon JP 2014 のチケットは現在販売中ですので、奮ってご参加ください。
参加チケットはこちらから購入できます。
https://pycon.jp/2014/registration/
今年度のトークの選考について
ところで、今年のトークセッションプロポーザルのレビューと選考は、今までと異なる方式で行いました。
PyCon JP 2014 のサイトを PyCon 本家 (US) のシステムをベースに構築したことにより、PyCon 本家で使っているレビューシステムを利用しました。
これにより、昨年は、選考はみんなで集まってワイワイ決める方式でしたが、システム導入のおかげで今年は複数のレビューアーが事前にオンラインで各応募をレビューし、最終的な決定を比較的少人数で進めることができました。
レビューは、レビュワーが各プロポーザルに、下記4段階の評価とコメントを付ける方式です。
- +1 — Good proposal and I will argue for it to be accepted.
(良い、採用されるべき)
- +0 — OK proposal, but I will not argue for it to be accepted.
(まあまあ、採用されてもいい)
- −0 — Weak proposal, but I will not argue strongly against acceptance.
(ちょっと弱い、採用されても文句は言わない)
- −1 — Serious issues and I will argue to reject this proposal.
(問題があるので、採用されるべきではない)
さらに、選考前に投稿者へフィードバックが送れる機能があり、それによりレビューする側として不安な点や修正して欲しい点を伝えることができるようになりました。
今年のレビューは、PyCon JP 運営スタッフの一部と、運営用 ML で募集して協力していただいた合計11名のレビュワーで行いました。
最終的な選考は、その中で点数の上位からを基本に選んでいく方式で行いました。
結果的に、日英の配分も想定の範囲であったため、今年は特に英語を優先して採用するということもありませんでした。
以下に、レビューして気になったことを幾つか紹介したいと思います。
トークの説明は発表が想像できると良い
内容がきちんと書かれていて、要点を抑えてあるプロポーザルは、レビュワーも安心して +1 できるのですが、内容が薄いとタイトルやカテゴリ自体は興味を引くものでも +1 を付けづらいです。
もちろん、発表の内容が全て出来ていることが理想ではありますが、それは求めていません。しかし、どのような発表になるかが明確に想像できるものは高評価にがつきやすいです。
よって、内容が薄いプロポーザルは、自ずと評価が低くなります。タイトルだけ、一言だけでは、すぐに発表内容が頭で展開されてきません。
特に内容の薄いものについては、容赦なく -1 や -0 が付けられていました。
今回の選考では、+1 の数が重要でしたので、レビュワーにトークの内容を想像させない、すぐに発表内容が浮かんでくるようなものが高評価を得やすいと感じました。
また、それを踏まえた上で、今年の “Python で再発見” のテーマに合うような内容であると、尚良いです。特に、オリジナリティの高いものや、テーマや紹介する事例などが実践的で面白いものなどは、レビュワーから聞いてみたいというコメントが多かったです。
しかし、テーマにあっているような、他に重複がない分野やツールでも、紹介や作ってみました、Web サイトで公開されているチュートリアルを見ただけでできることを発表しますというだけではそれほど評価を得られていないようでした。紹介をした上で、どんな工夫をするかが重要だと思います。
ちなみに、今年科学技術系(機械学習など)、SciPy, NumPy の発表が多いのは、素直に応募数が多かったからだと思います。
去年までは、ここまでの応募はありませんでした。
今年の選考の反省点
反省点としては、投稿フォームも PyCon 本家と同じ物を利用したのですが、日本語訳が適切でなかったかなと思いました。説明(Description) と 概要(Abstract) と アウトライン(Outline) の違いが明確でなく、入力に困ったという話を伺いました。
それが原因なのか、英語でプロポーザルを書いてくれる人は内容が非常に充実した物が多かったのですが、日本語は説明と概要が同一だったり、内容が薄かったりという物が多かったです。
来年もこのシステムを使うことがあれば、もっと適切な訳を用意するか、適切な説明文を用意してわかりやすくしようと思います。
おわりに
応募したプロポーザルは、インターネット上で公開してもらって結構です。Accept されたトークのプロポーザルを公開してもらうと、今後の PyCon JP に応募する人の参考になって良いかなとか思っています。(もちろん、強制ではありません)
さらに、プロポーザルを投稿してくれた方には、後ほどレビュー結果とコメントを送付できれば良いなと思っています。しかし、時間的都合で現在はそこまで手が回っていないので、送られてきたらラッキーぐらいに思っておいてください。
最後になりますが、PyCon JP 2014 では選りすぐりのトークを揃えて、皆さんが楽しめるようなイベントができたらいいなと思っています。
スピーカーの方も参加者の方も、当日会場で会えることを楽しみにしています。
特に、スピーカーの方は、9月までにネタ仕込みをよろしくお願いします!